英語コラム4・・・何のために英語を勉強するの?

今回は、「そもそも英語をマスターしてどうすんの?」という話です。英語を学習する動機は人それぞれでしょうが、一般的に言って、英語をマスターすることによって得られる利点とはなんでしょうか?

もちろん、英語を使いこなせるようになることで、自分の世界を広げられるというのは、多くの人に共通する「英語をマスターする事によって得られる利点」の一つだと思います。これに関しては、私も異論はありません。確かに今や世界言語となりつつある英語をマスターすることは、その人の活動範囲や視野を広げるのに、大いに役立つことは確かでしょう。

おそらく、「英語をマスターすることの利点」としてその次に挙げられるのは、「自分のキャリアにとってプラスとなる」ということではないかと思います。私が今回問題にしたいのは、この点に関してです。

まず最初に、英語を使いこなせる日本人というのがそんなに希少なものなのか?ということについて考えてみます。なぜかというと、ある技能を持つ人間の社会的評価とは、「その技能を持つ人間の全体に占める割合」が、一つの大きな目安になると考えられるからです。

日本の、弁護士や、公認会計士の社会的評価が高いのは、一つには、それらの資格を持つ人間の割合が日本人全体の中で小さいからです。もしそこらじゅうに弁護士や公認会計士がおり、「石を投げれば、弁護士か公認会計士に当たる」という状態になれば、おそらくそれらの資格の価値は暴落するでしょう。もちろん需要と供給のバランスという話もありますが、ある技能を持つ集団の全体に占める割合というのが、その技能の社会的評価を決める一つの基準になると思います。

この点に関して私が見たところでは、確かに他の言語集団と比べて、日本語を話す集団の中で第二言語としての英語を流暢に話せる人々の割合と言うのは、大変小さいと思われます。しかし、これも「希少価値」といったほどのことでもなく、アメリカなどに行くと分かりますが、英語を話せる日本人というのはかなりの数存在します。仕事や留学などでアメリカに滞在している日本人はもちろん、アメリカからの帰国子女、アメリカ人と結婚した日本妻等のアメリカに移住した人たちがそれです。

日本にいると意外と気づきませんが、このように英語を話せる日本人というのは、日本の中というよりはむしろ海外に数多く存在し、そのような人々にとって英語が話せることは技能でもなんでもなく、単に生活に必要な一つの手段に他なりません。

「本当に英語を使いこなせる人間は、英語の資格試験など取らない」と誰かが言ってましたが、全くその通りだと思います。英語の資格試験というのは、あくまで学習者が自分の学習進度の目安に使ったりするべきものであって、公表して自慢するようなものでないことは当然でしょう。(まあ、私自身も公表してますからそんな偉そうなことはいえませんが、少なくともその事実を認識した上での後ろめたさは持っています)

というわけで、英語をマスターするということは、技能という点から考えるとそれほど希少なものではなく、これさえもっていればOKというようなものでないことはお分かりいただけると思います。仮にこれさえもっていればOK!と言い切るには、少なくとも同時通訳者や翻訳家並みの英語力を持っていることが必要です。私もかつて技術翻訳関係のアルバイトをしたことがありますが、翻訳というのは、英語力以上に日本語力や専門知識が必要であり、本当に優れた仕事をするには永年にわたる学習と経験が必要となりますし、同時通訳者というのもそれと同じかそれ以上に努力と経験が必要な職業だと思います。

ということで、英語力というのは他の多くの技能と異なり、それだけマスターすれば社会的に価値の出るものではなく、他の様々な技能を補完する場合にのみ初めて社会的な価値が生まれる技能である、というある意味当たり前のことを長々と話してきたわけです。

言語力とは人間が人間として生きていくうえで、最低限必要な能力の一つですが、それをマスターするのに特別な能力は必要ありません。日本に生まれれば、どんな人間でも日本語を話せるようになるのと同様、アメリカに生まれれば、どんな人間でも英語を話せるようになるわけです。ネイティブでもない日本人がどんなに必死で勉強しようとも、ネイティブの子供ほど上手く英語を話すことは(ほとんど)不可能です。

どうせそうなら、英語の勉強に人生かけるようなことはせずに、気長に楽しくやったらどうでしょうか?努力はもちろん必要です。しかし、英語だけにエネルギーの全てを費やすのはナンセンスです。そんなことより、もっと自分自身の内面を豊かにして、多少英語が拙くとも話を聞いてもらえるだけの、人間的魅力というか、深さを持つことにエネルギーを使ったほうがはるかに意味があるのではないでしょうか?英語の勉強はそのあまった時間にでも、楽しく気長にやればよいと思います。英語の勉強も他の勉強同様終わりは無いわけですしね。

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